見守り近況把握
親とのおしゃべりにも重要ポイントがある

「便りの無いのは元気な証拠」とばかりに、遠くの親のことを気にしないでいられる時期には限りがあります。近くにいれば日々の様子が自然と目に入るので必要なときサッと支えに入っていけますが、遠距離の場合ではエネルギーを使って能動的に関わろうとしなければ一切様子が分からなくなってしまうのです。

けれど多くの人が、離れて暮らす親と話すというのは簡単なようで難しいと言います。昔と比べ親子同居がほとんどみられなくなった現代、老親との上手なコミュニケーションのヒントとなる本が多数出版されているので後ほどご紹介していきます。

いざというとき慌てないよう大事なことは話しておくべきなんだろうけど、ちょっと心の準備が要る

遠くに住む親はまだ元気で介護は必要ない。けれど、持病や車の運転のことが気になるし、住居や財産の管理のことはノータッチだし、もし一人暮らしできなくなったらどうしたいか考えを聞いたこともない。何かあったときに備えて知っておいた方が良いとは分かっていても、普段あまり会話もないのにいきなり質問攻めにする訳にもいかないし、何を知っておけば備えられるのかピンとこない。親が75歳に差し掛かるあたりからそんなモヤモヤを抱える人が増えます。

電話しても話題がなくて間がもたないから、ついご無沙汰してしまう

遠方に住んでいるとそもそも暮らしぶりが分からないので、まめに電話しようと意識している人も多いかもしれません。しかし、もう何十年も別々の生活で共通の話題が見当たらず、頼みの孫も電話に出たがらなければ、会話が続かず気詰まりなので定期的に連絡するのがつい億劫になりがちです。頭の隅で気になってはいるけど電話を掛ける手が重くて、ついメールだけで済ませてしまうことも。とりとめのない長電話に慣れていない人、特に男性にこういう方が多いようです。

話すと気持ちがかき乱されて辛い。精神的に余裕があるときじゃないと無理

親と話すのが辛いという人は実は少なくありません。愚痴ばかり聞かされる、性格が合わずすぐ喧嘩になる、寂しい気持ちや甘えを一方的にぶつけられて苦しくなる、話の要点がつかめずイライラするなど、家族間で遠慮ないが故のコミュニケーションの難しさがあるようです。治まらない腹立たしさと優しくしたいのにできない自己嫌悪との板挟みで、話すたびにどっと疲れてしまうという声をよく聞きます。本来は程よい距離感で付き合うのがお互いにとって良いのですが、家族のサポートが要る状況ではそうもいきません。